29日の浦和のトレーニング、宇賀神友弥はゲームが始まった時点で室内調整(後にピッチに出てきてランニング)、駒井善成もウォームアップと鳥かごを終えたあと、ペトロヴィッチ監督としばらく話をしてから別メニュー調整となった。
ワイドで多くの試合に出ている2選手が不在。代わって入るのは誰になるのか。
選手たちがゲーム前のパス&コントロールを行っている最中、杉浦大輔コーチがいつものようにビブスを配っていく。武藤雄樹、興梠慎三、ラファエル・シルバに黄色のビブスを配り、森脇良太、遠藤航、槙野智章、柏木陽介、阿部勇樹、関根貴大に赤いビブスを渡すと、杉浦コーチは1枚のビブスを手にしたままペトロヴィッチ監督の下へ再確認にいった。残されたのはワイド1人。杉浦コーチはしばらくペトロヴィッチ監督と話すと、高木俊幸にビブスを渡す。そして高木は右ワイドに入った。
「試合では関根を左で使って、善成を右で使うからとりあえず今日は俺が右だったんじゃないですかね?」と高木は笑いながらペトロヴィッチ監督の意図を自虐的に予想した。本来はシャドーでもワイドも左でプレーすることが多く、本人も「自分のイメージは左」と言う。
しかし、「右は右で深い位置に入り込んでいけるから、それはそれでおもしろい」そうだ。左では深く位置に入る込んだ場合、利き足ではない左足でクロスを上げなければいけない。だからカットインして右足でシュートという選択肢もあるが、クロスとなれば「ペナ(ルティーエリアの)角ぐらいで上げる感じになる」。だが、右サイドの場合は深い位置でもクロスの選択肢があるため、特にドリブラーの高木にとっては「バリエーションが増える」。
今季はACLの済州ユナイテッド戦や清水戦でワイドでプレーしているが、「守備で最終ラインに入って1対1の勝負をしかけてきた相手に対応しないといけない。自分がワイドをやる上でのウィークポイントは守備」と自己分析する。その一方で「いまのところは点を取りにいかないといけないときにワイドで使われるけど、守備ができるようになれば戦況がどうだろうと使ってもらえると思う。勝っている状況でも、守り切る状況でも使ってもらえるようになれたら」とワイドでのプレーにも意欲を見せた。
7月1日の広島戦は「とりあえずメンバーに入りたい」とした高木。宇賀神や駒井の状態によっては右ワイドでの先発もあるのか、また途中から起用されるのか、それともシャドーでプレーするのか。いずれにせよ、リーグ戦3試合ぶりの出場のために準備を進め、チームを救うために全力を尽くすつもりだ。
(浦和担当 菊地正典)
2017/06/29 19:55