「なかなか結果が付いてこないチームにもう一度、上を向かせる火を起こさせたいと思っていた」
前節・福岡戦で移籍後初先発を果たした千葉のGK山本海人。後半に2度のビッグセーブでチームを救い、首位を相手にスコアレスドローながら5試合ぶりのクリーンシートに導く活躍を見せた。
試合後に発した冒頭の熱い言葉。14日の練習後、その真意を尋ねると、「このチームは能力の高い選手が多くて、この順位(14位)にいるのは納得がいかない。僕自身もベンチに座りながら『何かもっとできたんじゃないか』と歯がゆい気持ちで毎日を過ごしていた。試合に出るということは直接的に火を付けることができやすい立場になったので、プレーも含めて火を付けたかった」と心に秘めた思いを吐露してくれた。
同じピッチに立ったMF町田也真人の「海人くん(山本海)があれだけ新しい風を吹かせてくれていたので、やられる気はしなかったが、それに応えたかった」と無得点を悔やむ言葉には、「プレーで反応してくれる気持ちはすごくありがたい。1試合とか1日で終わらすのではなく、続けることがいまの自分の責任だと思っている」と応じた。
加入1年目ながら31歳のベテランらしく、特に出場機会の少ない若手のケアに心を砕く姿が印象的だ。
「1年をどんな状況であれ、棒に振ってほしくない。ちょっと上から目線のような気もするが、やり切った自信を持って、1年を終えてほしい。これは自分にも言い聞かせている」
今季の目標については、「チームとしてはもちろんJ1昇格が絶対。個人としては、自分がどうこうよりも、出ている選手・出ていない選手を含めたチーム全体で、最後は笑って昇格の喜びを分かち合いたい。出ていない人は悔しいし、ほぼ無理だとは思うけど、少しでも良かったと心の中で思えるような振る舞いはしていきたい」。最後までチームメートを気遣う“気配りの人”らしさあふれる答えが返ってきた。
(千葉担当 大林洋平)
2017/06/14 19:18