今季、背番号を変更した京都のDF染谷悠太。守備の要のイメージがある『3』から、二ケタの『15』へ。その変更の裏には、ある思いがある。
04年からの12年間、京都の『15』は中山博貴(現・京都育成部コーチ)が背負っていた。15年に引退した中山が京都一筋の現役生活で着け続けた『15』は、クラブにとっても、ファン・サポーターにとっても、特別な番号だ。中山と染谷は、09年から13年まで京都でチームメートとしてプレー。C大阪から京都に復帰した昨季、中山本人の許しを得た上で、染谷が「ほかの選手が着けるぐらいなら、自分が『15』を付けたい」とクラブに熱望した。「少し時間を空けたい」と一旦は保留されるが、クラブが熱意に折れ、『15』への背番号変更が今季認められた。
「(中山)博貴さんは、『チームのために』と背中で語っていた人。博貴さんの抱いていた思いをしっかり受け継ぎながら、自分の『15』のイメージを作っていきたい」と染谷は話す。
チームリーダーになることが期待されて京都に復帰した昨季は負傷離脱が多く、J2リーグ戦の出場は17試合にとどまった。染谷にとっては苦しいシーズンだった。今季はプレシーズンも順調に過ごし、「昨季のこともあるし、一喜一憂しないように心懸けている」としながらも、「シーズンに入ってから、『昨季があったから、良いプレーができている』と思いたい」と手ごたえを感じている様子。
特別な『15』を背負い、心機一転、昨季からの巻き返しへ。17年の染谷悠太は一体どんなプレーを見せてくれるのか、26日に山形と対戦する開幕戦から注目しておきたい。
(京都担当 川瀬太補)
2017/02/22 20:42