フットボール専用スタジアム(総合球技場)の建設が事実上決定している山梨県。有識者10人による総合球技場検討委員会が12月まで毎月1回開かれており、そこで出される基本構想(スタジアムの建設地、規模、運営方針、機能など)を県が12月末に集約し、今年度中に基本構想を策定することになっている。
7日に開かれた第4回検討委員会では、委員の一人である甲府の海野一幸会長が、「品川駅から約15分のリニア新駅(山梨県駅/仮称)に隣接するスタジアムはどうか」という案を提示。建設候補地はリニア新駅(甲府市)から半径4km以内になることが有力だが、新駅だからこそのアイディア。11年後の2027年の開通を目指しているリニア中央新幹線。山梨県駅(仮称)とスタジアムをつなぐという案が実現するかどうかはこれからの話だが、実現すれば新幹線の駅と直結する日本初のスタジアムとなる。リニア新幹線の運賃設定が気になるが、ファン・サポーターのアクセスは格段に良くなる。完成時期として、11年後というのは“どんなに遅くとも”ということなので、先にスタジアムを建設し、駅が完成したのちにつなぐということになる。
完成が待ち遠しいフットボール専用スタジアム。2020年の東京五輪後に予算がついてプロジェクトがスタートし、設計1年、建設2年で2023年ごろ完成という見立てもあるが、もっと早い可能性も否定できない。山梨県駅(仮称)が、乗降客数が少ない『こだま』の駅のようにならないようにするためには駅から半径4km以内に整備・建設される“リニア環境未来都市”の成功が必須。フットボール専用スタジアムはその成否にかかわる重要な役割を果たすことになるだけに、前例にとらわれない基本構想の策定とヴァンフォーレ甲府が魅力をどれだけ高めることができるかも重要になる。
写真:松尾潤
(甲府担当 マツオジュン)
2016/10/09 07:30