27日に行われた天皇杯1回戦で、予想以上に苦戦した高知ユナイテッドSC戦を受けて、リ・ヨンジが心境を語った。
高知U戦、長崎は最終的に木村裕の2得点で勝利こそしたが、相手の積極的な攻撃と体を張った守備に押されてしまい、今後の戦いへ向けた戦力の上積みができたとは言いがたい戦いをしてしまった。苦戦の理由としては高知Uの健闘以外にも、試合出場機会の少ない選手たちで構成されたチームの試合勘の問題や、立ち上がりにミスが頻発して自分たちで試合を難しくしたことなどが挙げられるが、その内容にはプレーした選手たち自身もショックを受けていたようだ。強気な姿勢と、真っ直ぐな言動で知られるリ・ヨンジも例外ではない。
「すべての人に謝りたくなるような試合だった。トレーニングの紅白戦でサブ組が主力組に勝つことも珍しくないし、自分たちの強さも信じることができていた。だから、結果が出ないときも、人に何を言われても真っ直ぐにスタンドのほうを見て、『俺たちを信じてくれ』と思うことができていた。でも・・・こんな内容ではそんなことは言えない」
同時に、そんな試合をうまく修整できなかった自分への悔しさについて、尊敬する前田悠佑の名を挙げながら、「試合出場が多いほうの自分が、みんなを支えなければならなかった。あの人は、どんなときもそういったことに全力で取り組んで信頼を得ていった。だから、僕はあの人のようになりたいと思った。そして、それができなかった自分が悔しい」とも語っている。
そして、リ・ヨンジは最後をこう締めくくった。
「幸いにも連戦が続く。もう一度、みんなチャンスがもらえるかもしれない。またゼロ・・・いや、マイナスからのアピールになるかもしれないが、やっていくしかない」
試合後、高木琢也監督はチームに必要最低限のことのみを話して、あとはあえて話さずに選手たち自身に考えさせた。もう一度、スタンドへ真っ直ぐ顔を向けるため、リ・ヨンジがどんな答えを持ってくるか。オフ明けのトレーニングを楽しみに待ちたい。
写真:藤原裕久
(長崎担当 藤原裕久)
2016/08/30 13:36