J2第10節が各地で行われている29日、熊本との対戦が中止になった山形は「熊本地震復興支援チャリティーイベント」を実施。選手がスパイクなどの私物を提供してのチャリティーオークションや、チームスタッフ総出で仕込み、調理した、石﨑信弘監督特製の餃子300人分を提供するなどして義援金を募った。
熊本とつながりのある選手が少ないチームの中で、唯一の熊本出身者が立石雅輝トレーナー(写真)。今回のイベントでは餃子を焼くスタッフの一員として参加したが、その合い間に、熊本の現状や自身の心境について取材に応じた。
熊本県菊陽町に住む家族や親戚の無事が確認でき、実家にも被害はなかったとのことだが、被害が大きかった益城町に近い熊本市内にある奥さんの実家が倒壊したとのこと。ご家族はしばらく車中泊などを経て、最近になって仮住まいに移ったそうだ。
発災から2週間あまり。立石トレーナーは常にチームに帯同し、自らの役割を果たしてきたが、「できるのであれば、現地に行きたいのは山々」というのが偽らざる気持ちだ。「高校の友人も支援物資を直接、避難所に持っていったりしたが、結局は受け取ってもらえなかったということもあったみたいで、どこに持っていけばいいのか、何をしたらいいのかに慣れてない状況もあったようだ」と語った。そうした現状を紹介しながら、いまなお余震の中で不便な生活を強いられている人たちに思いを寄せていた。
(山形担当 佐藤円)
2016/04/29 20:46