24日のJ1・ 1st第7節・新潟戦(2〇1)で公式戦7試合ぶりの勝利を手に入れた名古屋。最後は相手の猛攻を受ける展開の中、ヒーローになったのはGK武田洋平だった。
武田にとっては、この日が名古屋加入後初先発の舞台だった。20日のナビスコカップで負傷していたGK楢﨑正剛にかわってゴールマウスに立つと、1点リードで迎えた後半ロスタイムには立て続けに好守を連発。92分に浴びた至近距離からの決定的なシュートに対しても驚異的な反応を見せるなど、3本連続のビッグセーブでチームを救ってみせた。
さまざまな思いを抱いてこの試合に臨んでいた。14日に九州を襲った熊本地震。高校時代を熊本で過ごし、昨年までは大分でプレーしていた守護神は、友人の家が住めない状態になっていたことなどを聞き「正直、練習からしても集中しきれへん部分があった」という。熊本に縁のある選手同士で 「何かできることはないか」と支援活動の話を重ねながら、「サッカーのできる環境に感謝してやれることをやりたい」と、ゴールマウスに立っていた。
最後は手に汗握る攻防を制しての勝ち点3に「武田さまさまです」と小倉監督。「彼はいろいろな思いがある中で出てくれていて、そこの気持ちを出してくれたところが、あのビッグセーブにつながっている」と加え、この日の大活躍を称えていた。
(名古屋担当 村本裕太)
2016/04/25 11:32