今季から6シーズンぶりに復帰した城福浩監督が率いるFC東京。4月2日に行われる明治安田J1・1st第5節は、ホーム・味の素スタジアムに現在リーグ戦4位の名古屋を迎える。
ここまで開幕前から多くのけが人に悩まされてきたチームだったが、ここに来て次々と練習復帰を果たしている。
その筆頭が、東京のハイタワー・平山相太。長らくひざの故障に悩まされてきたが、3月に入り復調を見せ、遂に前節・鹿島戦で途中出場を果たした。短い時間ながら、高さと懐の深さを生かしたキープで前線で存在感を放ち、好機を演出した。今節は満を持してのホーム・味スタでの復帰戦となることに期待が持てる。「鹿島でのアウェイ戦でもたくさんの声援をもらった。味スタではさらに大きなサポートをしてもらいたい。そしてそれに応える結果を残したい」と、平山も明るい表情で名古屋戦を迎える。
さらに過去にW杯に2度(06年、10年大会)出場した経験を持つDF駒野友一も戦線復帰。今季、磐田から加入した実力派のSBは、リーグ開幕前のACL第1節・全北現代(韓国)戦の途中に負傷。結局そのままリーグ戦も出場できずにいた。そんな駒野は3月26日の浦和との練習試合で実戦復帰し、軽快なプレーを披露。「痛みのリバウンドもないし、足をかばうことなく動くことができた。各ポジションで競争が激しくなることは、選手お互いの闘争心や高いレベルのプレーを生むことになる。自分も復帰して、それに貢献したい。試合への準備はできている」と、経験豊富なベテランらしく、頼もしい言葉で試合への意欲を示した。
そして、今季新加入組の注目選手として挙げられていた元韓国代表MFハ・デソンも、同じくこの試合で復帰を果たしそうだ。14年W杯にも参戦したゲームメーカーは、視野の広さを生かした展開力でFC東京の攻撃に新たな彩りを加えることに期待が集まる。「とにかく早くプレーがしたい。Jリーグデビューが待ち遠しい。キャンプから主力として準備させてもらいながら、突然のけがでチームに迷惑をかけて申し訳なかった。それでも外からチームを見ていて、選手たちの強い気持ちや闘志を感じた。すでにチームには十分に慣れている。現時点の順位以上の成績を出せる期待がある」と、自身の復帰でチームの上昇を促進させることを誓った。
ロシアW杯アジア2次予選・アフガニスタン戦(3月24日)とシリア戦(3月29日)にともにフル出場し、日本代表の勝利に大きく貢献したDF森重真人も元気にチームに合流し、4月2日の試合に備える。
相手の名古屋は、今季Jリーグでいきなりインパクトのある活躍を見せている”高さの”シモビッチと、国内屈指のスピードスターである”速さの”永井謙佑、そしてチーム最後尾には4度のW杯(98年、02年、06年、10年)を経験した守護神・楢崎正剛を擁する。FC東京はようやく充実した戦力が織りなす攻撃的なサッカーで、味の素スタジアムのピッチで名古屋相手に躍動できるか。4月2日、16時キックオフの一戦に、注目が集まる。
(FC東京担当 西川結城)
2016/03/31 19:20