千葉のホーム開幕戦、相手の水戸は鈴木隆行が4年間を過ごした古巣である。周知の通り、このオフに鈴木は水戸との契約が切れ、「正直、引退しようかと思っていた」ところを、千葉で練習生から契約を勝ち取った。
現状、千葉で鈴木のFWとしての序列は高くはない。開幕戦では遠征メンバーに漏れた。それでも黙々と日々のトレー二ングに打ち込み、若手に混じって居残りで地味な基礎練習をこなす。「引き上げてからもずっと筋トレをやってる姿を見ると、やはり上に行く選手、長く続けてる選手は違うなと思いました」とは、鈴木が活躍した2002年ワールドカップのとき中学1年生だった町田也真人の談である。
水戸について鈴木本人に話を振ってみたが、「出られるかどうか分からないから。水戸だからって特別なことはないし、いつものリーグ戦と一緒ですよ」とあっさりかわされた。選手はピッチで、プレーで語るべきということか。その背中で若手に範を示し続けるベテランの矜持を見た。
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若手にはもちろん、敵にとっても大きなその背中(3/7、S.C.相模原との練習試合)
(千葉担当 芥川和久)
2015/03/13 20:40