7日、シジマールGKコーチの契約終了がチームから発表になりました。
柏に来てから4年間、「キビシイ、タノシイ練習」を掲げ、いつも全力でGK陣との練習に臨んでいたシジマール。あの元気な姿が見られなくなると思うと、残念でなりません。なお、後任もブラジル人GKコーチになる模様です。
この発表を受け、シジマールGKコーチに話を聞きました。
――契約満了を聞いた時の気持ちは?
「寂しく、悲しい気持ちになりました。誰も、そんな報告を待っていないと思うのでね。今まで、自分に接してくれたクラブ、強化部、選手、スタッフ、それにサポーターも家族のように接してくれた。ですから、寂しい気持ちになったのです。ここでの出来事については、感謝しかありません。サッカーは続いていきます。次の道に進んでいきます」
――柏レイソルでの4年間はシジマールにとってどんな期間でしたか?
「素晴らしい時間でした。まず、GK陣が私(の願い)に応えてくれたこともそうですし、自分がやってきた4年間で、GKの選手たちは皆、一通りに試合でのチャンスをつかみました。中でも(川浪)吾郎は公式戦に出られなかったですが、みんな、素晴らしい成長を見せてくれた。練習でも、選手たちは素晴らしいリアクションを見せてくれていました。まだ、『彼らにこれを教えていけば』という心残りはある。それをやり切れなくて残念です」
――シジマールGKコーチが来て、確かに選手たちは成長しました。特に、桐畑和繁選手はJリーグデビューを果たしました。それにシジマールも桐畑選手も、どちらも陽気なGKで共通点も感じます。
「僕がレイソルに来て、まず耳にしたのは『今はゲームに出られていないが、桐畑はスゴく良いGKだ』ということでした。私は彼の持つ良いものを引き出して、ゲームに出せるようにしただけです。試合に出ても大丈夫ということを、彼は見せていたからこそ、あのチャンス(Jリーグ初出場)につなげました。これからも、真面目にトレーニングに臨んでくれることを期待しています」
――柏のGK陣は家族のようだった?
「その通りです。家族だと思っています。私は彼らについて、グラウンドの中だけではなく、外のことも気にかけています。それは私だけではない。彼らも私のことを気にしてくれています」
――一番の思い出は?
「やはり、リーグ優勝ですね。これから先、レイソルで優勝に携われたこと、それにクラブW杯、ACLにも参加できたことは誇りに思い続けるでしょうだから、満足してクラブを去れます。そして、来年もそのチャンスが得られると信じています。そのための練習を続けていきます」
桐畑選手にもコメントを頂いています。
「(シジマールGKコーチの退団を聞いて?)まだ、いまいち実感が湧かないんですよね……。シジは気持ち良く練習させてくれたし、試合にも出させてくれた。スゴく好きなんですよ、オレ。(思い出?)小さいころからのヒーローだったので、最初にここへ来た時、『うわ!シジマールだ!』って思ったことかな。この人に教えてもらえることに、ワクワク感を感じていました。これからのシジマールの練習、1日1日、1本1本を大事に受けていきたいです」
サポーターからはチャントを授かったり、柏色に髪の毛を染めていたり、奥様のホサンジェラさんとともにチームを盛り上げたり。シジマールは非常に存在感のあるコーチです。
契約満了が聞かされて間もないこともあって、今後についてはいまだ未定とのこと。「夢は日本代表のGKコーチ。国歌も勉強している」とシジマール。日本国内で、夢につながる仕事が見つかることを願ってやみません。
(柏担当 田中直希)
2012/12/12 15:11