6日、クラブからDF津田和樹選手の現役引退が発表されました。7日の練習後、その津田選手に話を聞きましたのでご紹介します。
■DF 2 津田 和樹選手コメント
――現役引退を決断した経緯は?
「清水、甲府と渡り歩いてきて、実力的に通用しないということで町田にやってきた。町田に来た理由は、町田をJリーグに上げることが目的で、それを考えてここまでやってきた。そういう経緯もあったので、いまが現役引退を決断するには自分にとっては良い時期なのかなと思って決断しました。心境としてはスッキリしている部分もあるし、寂しい部分もある。ただ、トップレベルでサッカーはできないけど、サッカー自体はどこでもできる。サッカー界には何らかの形で貢献したいと思っているし、サッカーとのつながりという意味ではこれから先も続くので、まったく悲観はしていません」
――今季の終盤戦は負傷がちでしたが、そのことも決断に影響しましたか?
「それは影響していません。自分のパフォーマンスで引退は決断していないので。自分の気持ちと状況を踏まえて決めました。これは生き方の問題なので。僕自身はチームに必要としてもらえるうちに辞めたいと思っていましたから」
――仮定の話ですが、町田がJ2に残留すれば決断は変わっていましたか?
「それは関係ないですね。チームを残留させるつもりで戦っていたし、チームが(Jリーグで)軌道に乗った段階で引退することは考えていました」
――クラブの公式HPでは、最も思い出深い出来事として、昨季Jリーグに上がる喜びを分かち合えたことを挙げていました。
「このクラブに来た目的がそうだったし、Jリーグ入りを達成できた喜びをようやく分かち合えた。それまでにいろいろな選手たちがJリーグに挑戦していって、夢が破れ、戦力外になった先輩たちも僕は見てきました。そういう先人たちの思いも込められていましたから」
――事前に相談は?
「家族と妻には相談というか、自分が『こうしたいんだ』という意思表示をして、家族や妻は僕の意志を尊重してくれたので引退を決めました」
――周囲の反応は?
「残念がってくれる選手。まだまだやれると言ってくれる選手。お疲れさまと言ってくれた選手もいる。反応はそれぞれですね」
――近未来については?
「どのようになるかは決めていないし、まだ言える状況ではありません。ゆっくり考えようかと」
――サポーターからはクラブのフロント入りを願う声もあるようですが?
「やらせてもらえるのであれば。ただ、それだけがサッカー界への貢献ではない。現場で頑張ることもそうだし、フロントとして、もしくはスポンサーという形でも貢献できる。サッカー界に貢献する形はいろいろあるので、いろいろなことを含めて考えて、どういう形が自分にとって、またサッカー界にとって良いことなのか、ということを基準に考えて決めたい。もしかしたら自分にしかできないモノがあるかもしれない。それならばそれをやればいい。ゆっくり考えていこうと思う。まだまだ未来は分からないけど、僕自身は次の未来に向けてワクワクしています」
――天皇杯について。
「トレーニングを毎日しっかりやって、チームが勝つように後押しをすることが大事。もし試合に出ることができたら全力で戦うし、勝って次のステップへ進めるように全力でやっていきたい」
――津田選手にとって、『FC町田ゼルビア』とは?
「僕のサッカー人生の中では大部分を占めたクラブで、サッカー人生そのもの。町田は生まれ故郷でもあります。サッカー人生のすべてと言っていいと思います」
津田選手は町田が東京都1部リーグに所属していたころから在籍している、チーム最古参8年目の選手です。現役選手ながら、TOEICのスコア・815点、そして青山学院大・大学院国際マネジメント研究科でMBA(経営学修士)を修了するなど、Jリーガー屈指のインテリプレーヤーとしても知られています。そんな津田選手が下した現役引退という大いなる決断。主に左サイドを駆け抜けた町田の背番号2は、愛して止まなかった“ゼルビアブルー”のユニフォームとともに、今季限りでスパイクも脱ぎます。
【PROFILE】
津田 和樹(つだ・かずき)
1982年7月26日生まれ、30歳。181cm/72kg。東京都町田市出身。成瀬SC→FC町田Jrユース→國學院久我山高→清水→甲府を経て、05年町田に加入。 J2通算23試合出場。
(町田担当 郡司聡)
2012/12/07 17:00