7日の日曜日に行われたナビスコカップ準々決勝第2戦・C大阪戦(2●3)で大きく印象に残った場面がある。58分、大久保嘉人が沈めたチームの2点目だ。ゴール前で受けたボールを懐に収めて対面の山下達也を交わし、左足で奪ったモノ。TV解説をしていた水沼貴史氏も試合後「ムダがまったくない」と絶賛。
その場面について10日の練習後、本人に問うと「最初のタッチが完璧だった。本当は2タッチ目で相手の股を狙おうと思ったけど、当たったら嫌だなと思って。相手DFの体の向きも悪かったので、かわして、打った」と振り返る。僅かな時間でこれだけの好判断を下し、得点を奪う力はさすがの一言。
一方、これだけ素晴らしいゴールを決めた直後にも関わらず、サポーターの元へ走り寄ることもなく、喜びを体現しなかったのも印象深い。それについては「やっぱり、セレッソは古巣だしね」と言う。5-4の乱打戦となった第20節の同カードでも、逆転弾を決めた際に喜びは見せなかった。
「(自分が)いたチームは全部、好き」開幕戦の神戸戦の前には、こういう言葉も述べていた。チームを離れたいまでも、お世話になったクラブへのリスペクトは忘れない。これも、彼がリーグ最高峰のストライカーであり続けられる理由なのかもしれない。
(川崎F担当 竹中玲央奈)
2014/09/11 07:00