前節の神戸戦で、プロ初出場が目の前で幻となった選手がいたことをご存じでしょうか。
柏U-18から昇格後、プロ1年目の山中亮輔選手が、実は初出場一歩手前まで行っていたのです。練習時から、紅白戦で主力組に入るなど、出場の匂いはプンプンしていたのですが…。本人に、そのことを振り返ってもらいました。
「前節、実は『ジョルジと交代する』と言われてユニフォーム姿にもなっていたんです。監督に指示も聞いていました。あの時間はまだ0-0の状況だったので、『やってやろう』という思いがありました。ベンチ入りしたメンバーのみんなにも『頑張ってこいよ』と言ってもらったりして。でも、そうしたらジョルジがミドルシュートをずどんと決めちゃってんです。こうやって(アクションをまねる)。そうしたら、監督が『カーマ(待って)』と。そしてアップゾーンに帰ったら、ベンチメンバーには『お帰り』と笑われました(笑)。でも、『次もあるから準備しておけ』と。結局、試合には出られませんでしたが…」
ただ、本人の中ではその経験が「早く試合に出たいと強く感じました。代表(U-19アジア選手権)も、申し訳ないですが負けて終わってしまった。このチームでしか試合に出るところはないので」とさらなるモチベーションにも変わったようです。
この日の練習でも良いプレーを見せていた山中選手。さて、今度こそ出場機会は訪れるでしょうか。個人的には、3年前の2010年、同期6人のなかで唯一出場機会が巡ってこなかった仙石廉選手(現岡山)が最終節で出場機会を得たことを思い出します。ユース出身の偉大な先輩の再現を、山中選手も狙います。もちろん、試合に出れば得意の強烈シュートも。
(柏担当 田中直希)
2012/11/28 08:27