神戸に在籍して今季で10年目を迎えていた田中英雄が、京都に期限付き移籍を果たした。30日に行われたミーティングでチームメートらに別れのあいさつを行い、やや感傷的な趣を宿しながらも、「期間は半年ですからね」と涙などは見せなかったようだ。
移籍の理由を「いま自分は本当に動きが良い。チームのこともあるけど、自分のことを考えた」と実直に話す。出場機会が思うように得られない中、環境を変えてチャレンジする道を選んだ。「こっちの正解が向こうの不正解かもしれないし、こっちの不正解が向こうの正解かもしれない。違うモノを自分に入れることは、プラスになると思う」と意気込みを伝えた。
少なくとも今季最後となった神戸での練習後の囲み取材中。同い年の田代有三が「いってらっしゃい。LINEするね」と声をかけ、田中は「LINEして!」と言葉を返す。さらに、チョン・ウヨンは、囲み取材中こそスルーしたものの、車に乗り込む際に「ヒデさん、がんばって」と振り向きざまに大声でエール。戦友たちの別れの瞬間が印象的だった。
田中は「サッカーがしたい。本気の一瞬の駆け引きがしたい」と熱く語る。神戸の健闘を祈り、京都をJ1昇格に導くため、新たな道に踏み出した。
(神戸担当 小野慶太)
2014/07/31 18:33