第14節・長崎戦(1△1)のことだ。廣瀬浩二の今季初得点を、山形辰徳がお膳立てした際、解説の方がこう言ったのだ。
「うまい!と言おうとしたけど…、言えなかった」
絶妙なクロスボールを絶賛してもいいはずが、そのコメントは聞こえてこなかった。なぜなら、解説を務めたのが、山形の実兄である山形恭平氏だったからだ。中立の立場で解説をしているのだから褒めてもいいはずだが、やはり兄弟ということもあり、手放しで褒めることに多少、照れくさいモノがあったのだろう。男兄弟がいる方ならば、この感覚がなんとなく分かるはずだ。
山形にその話を振ってみると、「向こうが意識しているんじゃないですかね。僕はそうでもないですけど」と話しつつ、「でも兄が解説した試合は見たくないし、1回も聞いたことがありません(笑)」とキッパリ。なんとなくこそばゆい感覚を、兄も弟も抱いているようだった。ちなみに、試合後には、お褒め言葉があったそうだ。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/05/29 18:32