前節の町田戦でプロ初ゴールを含む2ゴールを決め、大きな存在感を見せた加藤大選手。しかし、記念すべきプロ初ゴールの感想について「うれしかったけど、そんなに言うほどではなかった」と、いつものひょうひょうとした感じ。さらに「ゴールしたところだけが目についたかもしれないけど、それ以外の場面では自分のプレーに満足できなかった」と自らを戒める言葉を続けました。
加藤選手は各年代での日本代表に選出されていたこともあり、今季、大きな期待を持って愛媛に迎え入れられましたが、その期待には相反し、出場機会に恵まれずに試練の時をここまで過ごしてきました。しかし、そんな苦しい時期でも「監督の性格を考えると毎試合ずっとスタメンで入るということは難しい。でも、そこでモチベーションを落とさずにやることが大事だと思っていた」と腐ることなく前を向き続けてきました。
バルバリッチ監督は加藤選手を「良い素材だと思っていた」としながらも、「加入当初は集団の中に入ると、どこに立って良いのか分からないところがあった」と起用を見送っていましたが、シーズンが進むにつれて戦術理解度も高まり、徐々に出場機会も増えてきました。そして、初ゴールも時間の問題と思われていた中での前節の2ゴール。バルバリッチ監督はあらためて、「マサル(加藤)は特殊な選手だが、価値のある選手になる要素を持っている。外から見た印象では緩い性格に見えるかもしれないが、彼にはチームでも1、2を争う持久力があり、ハードワークができる。また、試合を読む力もある。今のマサルには試合に出て経験を積むことが大事だし、そうすることでさらに良い選手になっていくだろう」と、この若き21歳に太鼓判を押しています。
周囲の期待度からすると出遅れた感はありますが、本人は終始マイペース。しかし、「まだ3試合残っているので、もっとゴールが奪えるように頑張りたい」と残りシーズンのラストスパートに力を注いでいます。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/10/25 21:35