8月、福島県双葉郡広野町立広野小学校を訪れた小笠原満男は、目に焼き付いて忘れられない光景があるという。
「たぶん、俺たちがアントラーズの選手だなんてわかってないと思うんだけど、みんな『来てくれた!』という目で見てくれた」
広野町は福島第一原発収束作業の拠点となったJヴィレッジが近くにあり、広野小も原発から23kmしか離れていない。外部から人が訪れることはわずかなこの場所に、小笠原満男、中田浩二、本山雅志の3人が顔を出すと、子供たちは目を輝かせて喜んでくれたのだった。
今年も、日本プロサッカー選手会が企画するチャリティーマッチの季節が来た。12月27日に岩手、宮城、福島、東北3県で被災地の子供たちとサッカーを通じて交流する「ふれあい活動」を行い、28日にユアテック仙台でチャリティーマッチを行う予定だ。
子供たちにとって、サッカー選手と触れあう経験は計り知れない未来へと繋がる。広野小の子供たちのような例が、まだどれだけ眠っているのか想像も付かない。
「最近は、地震や津波だけじゃなく、台風だなんだと自然災害がすごく多い。そういう話を聞くたびに悲しくなる。震災を過去の出来事にしないでほしい」
小笠原は、何度も頭をかきむしり、言葉を選びながら、思いの丈を訴えた。
選手会では、支援の輪を広げるため「ジャストギビング寄付プログラム」や「チャリティーグッズ」も用意しており、仙台まで赴かずとも活動に参加できる仕組みも提供しているので、是非一度、選手会のサイトをご覧頂きたい。
ジャストギビング寄付プログラム
http://www.j-pfa.or.jp/charity2013/justgiving
記念グッズ
http://www.j-pfa.or.jp/charity2013/goods
(鹿島担当 田中滋)
2013/12/19 17:12