愛媛は今、リーグ戦12試合未勝利という泥沼の中にいます。今節対戦する東京Vとの前半戦で勝利を収めて以来、約2カ月半もの間、勝点3をつかめずにいます。しかし、中2日という過密日程の間では落ち込んでいる暇はありません。
12戦未勝利に加えて、直近の公式戦(天皇杯を含め)で5戦連続で無得点とネガティブな事実も重くのしかかってきているのですが、それについてバルバリッチ監督の考えは非常に前向きでした。
「得点を取れていないことは問題だし、チャンスを作っても決定力に欠けていたことは否めない。しかし、前節では多くのチャンスを逃したというよりも、多くのチャンスを作れたとポジティブに考えるべきだと思ってる。今後もあのような攻撃ができれば、いつかはゴールは奪えるはずだ」
楽観視しているわけではないでしょうが、ただでさえ厳しい状況の中で選手たちに過度の圧力を与えたくない親心を見せているのかもしれません。思えば今季第2節、敵地での横浜FC戦で、プロ初ゴールの重圧のためか、次々と訪れたチャンスを再三にわたって逃し、試合後に涙を流した有田選手に監督は次のような言葉を掛けたようです。
「ゴールなんて決まる時もあれば決まらない時もある。今日はたまたま決まらなかっただけだ」
有田選手はその言葉をきっかけに、次に出場した栃木戦でプロ初ゴールが生まれると、それからゴールを量産していきました。今節、復調の兆しのある攻撃陣が監督の“親心”の言葉を受け、思い切ってプレーしてくれれば、待ちに待ったポジティブな結果も望めるのではないでしょうか。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/09/16 22:13