ホーム本城で行われた、今季2度目のアビスパ福岡とのダービー。2年前のダービーと合わせて3戦0勝、さらに無得点。Jの先輩である福岡に対して、同じ県にあるライバルらしい戦いができなかった。それにも増して、今季本城の観客動員数が伸びないことに、クラブもサポーターも悩んでいた。
この状況を打開するべく、サポーターは独自に、ダービーを盛り上げて、選手たちに最高の舞台で戦ってもらおうと、さまざまな集客活動に自らの時間を割いて汗を流した。愛するクラブのために。試合当日を迎えた本城の周りは、いつもに増して熱気を感じたのは、夏の日差しのせいだけではなかった。
もちろんダービーなので、相手があってのこと。この雰囲気を作ってくれた、相手のアビスパ福岡やアビスパサポーターにも、敬意を忘れてはならない。試合開始前に見た記者席からの景色は、ダービーにふさわしいものだった。後半途中に、発表された公式入場者数は7、637人。サポーターが目標にしていた、10,000人には届かなかったが今季最高を記録した。
試合の方は、取って取られてのダービーらしい、いかにも福岡県人が好む様な展開の末、FW陣が爆発した北九州が4ー2で福岡とのダービーに初勝利を飾った。試合終了後の歓声は、今まで勝利した試合とは比較がならない程、すさまじいものだった。試合後に行われた、ヒーローインタビューに立ったFWの3人も、この雰囲気を作ってくれたサポーターに感謝の言葉を述べ、「また本城に足を運んでください」と、付け加えることも忘れなかった。
サポーターたちがポスティングしたチラシで、初めて訪れた方々に取っても、また来たいと思わせるにはじゅうぶんな試合内容だったはず。しかし、目標が達成されたわけではなく、昨日の歴史は過去のものと、北九州に関わる全ての人が既に未来に目が向いている。一過性に終わらせない様、この波を大きなものにするために。
(北九州担当 坂本真)
2012/08/22 08:35