「一番仲の良い選手の一人だったので、チームからいなくなるのは寂しい。でも、サッカーの世界はそういう世界」(大前元紀)
8日、長沢駿のG大阪への完全移籍が発表された。1stステージの開幕戦は、長沢の1トップ、大前がトップ下という布陣で挑んだ。それが、4ヶ月後には敵同士となる。
二人の仲は大前が寮に入ったときから始まる。1つ年上の長沢に、三保まで毎日送り迎えをしてもらっていた。長沢は11年から3チームを渡り歩くことになり、14年に清水に復帰。それを誰よりも喜んでいたのが大前だった。それから1年半、身長差25cmのコンビは、変わらず練習後も常に一緒にいた。
駐車場でひととおりの取材を終え、車に乗り込む前に、大前はこう言い残した。
「とっておきのエピソードなんてないよ。大した仲じゃないし」
それが本心ではないことは明らかだった。
(清水担当 田中芳樹)
2015/07/10 14:00