東京Vは3月5日のJ2第3節・甲府戦にて、『東京こどもホスピスプロジェクト』と連係し、『Green Heart Room』の招待を実施した。
『Green Heart Room』とは、東京Vが味の素スタジアム内でセンサリールームを設置し、自閉症や感覚過敏の方々をはじめ、さまざまな方を試合に招待してきたプロジェクトだ。まるで自宅リビングのようにリラックスできるようなソファ(株式会社エムール提供)や、試合会場の音声を遮ることもできる窓のある部屋を毎回カスタマイズして提供してきた。
東京Vは今季、『みんながたのしいスタジアム』をコンセプトに掲げており、「“センサリールーム”のその先へ」と題して、さまざまな障がいや病気のある方と、そのご家族を今回は招待した。
参加した2家族は試合前にピッチレベルで選手のウォーミングアップを見学したほか、ピッチの確認のためにロッカーから出てきた東京Vの河村慶人とハイタッチする機会に恵まれるなど、大いに楽しまれた様子。サッカー体験や公式球を実際に触る機会もあり、東京Vのマスコット・リヴェンルンと甲府のマスコットであるヴァンくん、フォーレちゃんとも触れ合った。試合直前には、名前入りのヴェルディTシャツをプレゼントされ、歓喜の声を上げていた。
サッカー観戦が初めてだという10歳の岩井杏(いわい あん)さんは、指定難病である『ウールリッヒ型筋ジストロフィー』を患っている。車椅子で両親とともに参加し、「(スタジアムは)広かった。選手はかっこよかったし、楽しかった」と満足顔。19歳の本間柊平(ほんま・しゅうへい)さんは『慢性閉塞性肺疾患/白血病』の診断を受けて杏さん同様に車椅子生活を送っているが、今回の体験を経て「スタジアムに来るというのはハードルが高いこと。今回、勧められて『せっかくなので』と参加した。どこかに行こうとしてもいろいろとあきらめてしまうことも多いが、こうやって誘ってもらえると足を運びやすい」コメント。「生で試合を見られて貴重な、いい体験になった」と振り返った。
また、以前東京Vのスクールに通いながらも、兄の難病の関係で退団を余儀なくされてしまっていたという佐藤空さん(19歳)も参加。3年ぶりの味スタ試合観戦を楽しんでいた。
東京Vは「さまざまな障がいやご病気のある、スタジアム観戦への心理的ハードルが高い多くの方たちに非日常体験を味わう機会を提供したい」とし、この『Green Heart Room』プロジェクトを継続していくという。
(東京V担当 田中直希)
2023/03/08 16:26