「やっぱり楽しかったし、『やっと戻ってこれたな』と感慨深いものがありますね」
4月の明治安田J2第9節・岡山戦で右ひざ前十字じん帯損傷などの大けがを負った千葉のMF田坂祐介が今週から全体練習に一部合流した。チームメートとパスを交わすなど、ひさびさの感触に表情も明るい。
リハビリ期間が6カ月以上に及ぶ間、千葉の調子は上向くことはなく、低空飛行のままだった。「自分なりに思いを持って移籍してきた中、みんなと別行動してトレーニングしないといけないのが一番辛かったし、苦しい状況の時に力になれなかったのが、一番キツかったです」と振り返る。
ただ、ピッチ外からチームを俯瞰して見る機会で新たな“気付き”を得たかと言えば、プレーしていた時期に感じていたことと、現在、感じていることはほぼ変わらないと語る。
「自分たちに一番何が足りないかと言えば、技術。技術と言うが、止めて・蹴るもそうだし、状況、状況でどこにポジションを取り、どこに向かって、いつ走るのかとかも含めてですし、そこを大事にして、突き詰めいきたいですね」
現役選手である以上、状況判断、試合を読む力を含めて技術を追求する気持ちは強い。それに、先日行われたルヴァンカップ決勝で古巣・川崎Fと札幌が見せた、歴史に残る激闘を観て、田坂はあらためて“技術”への思いを新たにしたという。
今季、彼に残されているのは4試合。「まだ100%ではないですし、まずは自分がコンディションをまず上げていかないといけません。その過程で『こうしたほうがいい』と思ったことは伝えていきたいし、みんなと一緒になって改善していきたいですね」。右足筋力の回復や指揮官の判断次第ではあるが、千葉の6番は今季中の復帰をまだ諦めていない。
写真・大林洋平
(千葉担当 大林洋平)
2019/11/01 15:10