愛媛は前節、敵地での栃木との戦いを制し、4戦ぶりの勝点3。その試合で勝利を決定づけるゴールを決めたのは河原和寿。しかし、河原にとって栃木は恩義ある古巣チームなだけに、試合後に栃木サポーターへ挨拶に行くことを一瞬躊躇したという。
河原は愛媛が1点リードの後半アディショナルタイムにピッチに立つと、その直後にチームは相手GKが攻め上がったスキを突いてカウンターアタック。スペースへ抜け出た河原は無人のゴールに向けて約30mの距離の“ロングパット”を収め、古巣の息の根を止めた。
「正直、ブーイングされるかなと思った」
そう覚悟をしながらも「挨拶できるのは年に一度しかないし、(同じく栃木を古巣とする西岡)大輝もいたんで」と試合後、西岡と二人で栃木サポーターの前へ。そのリアクションは河原が予想していたものとは違っていたようだ。
「ゴールを決めたにもかかわらず僕と大輝を温かく迎えてくれた。(栃木サポーターは)もちろん悔しい気持ちはあったはずだけど、『ナイスゴール』とか、労いの言葉をかけてもらったことが嬉しかった」
あらためて古巣サポーターの温かさに触れ、「チームは違うけど、ライバルチーム同士、一緒に上がっていこうと思えた」と感激。その気持ちに応えるように西岡と二人そろってスタンドに向けて深く一礼したという。
(愛媛担当 松本隆志)
2018/09/19 10:16