前節・大分戦(1○0)は「大分が勝つ結果が妥当だったかもしれない」(リカルド・ロドリゲス監督)と吐露したほど徳島にとって厳しいゲームだった。だが、徳島は台風12号の影響で延期となった第26節・岡山戦(1●2)のミッドウィーク開催が決まった時点で大分戦は厳しい展開を強いられることは分かっていた。
その過酷な状況下で徳島県出身2選手が試合を決めた。一人目は湘南から育成型期限付き移籍で加入したばかりの表原玄太。ユース時代は神戸の下部組織で育ったが、その前は徳島の下部組織で育ち、徳島県南部に位置する阿南市出身。二人目は昨季からプロ生活をスタートさせた小西雄大(写真)。ジュニアユース時代からG大阪の下部組織で育ったが、出身は徳島県西部に位置する阿波市出身。「大分戦はサプライズがあるかもしれない」(ロドリゲス監督)と聞かされていたが、ぶっつけ本番で表原を先発に抜擢。そして、耐えに耐えた83分。その表原から小西の足元に優しいスルーパスが届いた。このワンチャンスを「ファーストタッチでうまく相手DFを外せました」(小西)と左足一閃でゴールネットを揺らした。昨季の第4節・大分戦(1○0)でプロデビューを飾った大分銀行ドームで、今季はチームを救う値千金の決勝点を決めた。
上位浮上を狙うため、絶対に落とせない一戦。その大事な試合で地元出身2選手が試合を決めた意味は大きい。と、締めくくりたかったが過酷な試合だっただけに「ほんまに勝って良かった」(小西)というのが二人の本音だったそう。
(徳島担当 柏原敏)
2018/08/29 08:08