「質より命」とチーム関係者が愚痴るほどの暑さの中、いろいろな意味で反転攻勢にかける若手たちは、前を向き懸命にトレーニングを積んでいた。
この日(2日)は、練習場のある豊田で38.7℃を記録する猛暑。前日夜に仙台で試合を終えたチームは朝から豊田に移動。一番暑さのキツい14時30分から練習が始まった。
しかし屋外でのトレーニングに顔を出したのはいわゆるサブ組で、しかも30分ほどで全体練習は終了となった。
「30分でも吐きそうになりましたよ」と、すぐにクラブハウスに引き上げる選手もいる中、1時間以上、個人練習をしていたのが菅原由勢や深堀隼平、榎本大輝、大垣勇樹といった若手たち。ボールを使った練習が30分では足りないと、「止める・蹴る」を中心に体を動かした。
次節の対戦相手G大阪がデビュー戦だった菅原由勢は、「暑いですけど、練習するのはすべて自分のためになることなんで。正直、メンバーから外されたのは悔しいですけど、自分の力をもっと伸ばして使ってもらえるようになりたい」と、中断期間で失ったポジションを奪回すべく汗を流した。
ピッチのサイドライン、およそ100mをダッシュしていたのは、2年目の深堀。「今日は8本ですかね。前節はメンバーから外れているので、ここからまたメンバーに入って試合に関われるようになるために、走ることは大事なんで。暑い中でも苦にならないから大丈夫です」と、深堀は日に焼けた顔を引き締めた。
チームは大型補強を敢行し、しかもその選手たちの活躍もあって前節は16試合ぶりに勝利した。Jリーグ史上2番目の若さで開幕戦先発と話題をさらった菅原も、ルヴァンカップで広島からゴールを奪い勢いを見せた深堀も、これまで以上に試合出場へ向けての道程が険しくなった。それでもチームの力になりたい、なるんだという意識は変わらない。コーチ陣も暑さを乗り越えた先に明るい未来が待っているはずと信じて見守っていた。
(名古屋担当 斎藤孝一)
2018/08/02 19:09