17日、新潟は聖籠町の専用練習場でトレーニングを行った。前日のJ2第19節・福岡戦に先発した選手は午前にリカバリーを行い、それ以外の選手は午後からビルドアップ練習などを行った。
前日の勝利に続き、午後のトレーニングに早川史哉が参加したことは、さらにチームのムードを明るくした。
早川は新潟県新潟市生まれ。新潟ユース(現・新潟U-18)を経て、筑波大を卒業した16年に新潟へ加入。開幕戦から先発の座をつかんだが、体調不良で4月末から離脱。精密検査を経て、6月に急性白血病であることが発表された。クラブは選手契約を一時凍結とし、早川は懸命に治療に取り組んできた。17年6月には退院し、今年3月からは新潟U-18のトレーニングに参加するほどに回復している。
この日は新潟U-18が遠征中。トップチームが比較的、負荷の高くないメニューだったため、参加することになった。トップチームへの参加は、今季3回目。新潟ユース時代の恩師である片渕浩一郎コーチ、当時もチームメートだった渡辺泰広や川口尚紀、同期入団の端山豪らも笑顔で見守る中、7対4のロンドなど約1時間のメニューを終えると、「サッカー、楽しいです」と日に焼けた顔をほころばせた。
鈴木政一監督は「センスが抜群。相手を見て、パスをダイレクトで出すか止めて出すか判断し、受ける側にとっていいパスを出している」と絶賛。単発でのイレギュラーな参加ではあるが、今後も「クラブの判断で」と機会があれば受け入れる方向だ。
早川は7月1日、昨季限りで現役を終えたミスターアルビレックスこと本間勲(現・新潟スクールコーチ)の引退試合に出場することが決まっている。
「まずはユースで体力をあげて、良い状態のフィジカルで臨まないと。トップチームは復帰を目指している場所なので、そのスピードを感じられれば鍛えられるし、ユースの選手たちとの練習でもいい影響を与えることにつながる。高い意識を持ってやりたい」と、1日ごと、努力を続ける。
2週間後、約2年3カ月ぶりに立つビッグスワンでも、はつらつとした姿と笑顔を見せてくれるはずだ。
写真:野本桂子
(新潟担当 野本桂子)
2018/06/18 09:52