31日、ロシアW杯のメンバー発表が行われた。新潟でプロデビューし、現在はドイツのハンブルガーSVに所属する酒井高徳が、前回大会に続きメンバー入りを果たした。
酒井は所属マネジメント会社を通じて「2014年ブラジルでの敗戦、そして出場できなかった悔しさを糧にこの4年間を必死で日々過ごしていました。日本のサポーターの皆さんと一丸となり戦い抜けるように、自分のできることを全力で頑張ります。また、僕は新潟で生まれ、新潟で育った選手でもあります。新潟県民の代表としてロシアの地で戦いたいと思います」とコメントを発表した。
この一報に、「うれしいです」と喜びをかみしめたのは、酒井の新潟ユース時代の恩師であり、現在はJ2新潟のヘッドコーチを務める片渕浩一郎氏。5月18日からの3日間、ドイツでのシーズンを終えた酒井を新潟の練習生として迎え、日本代表入りに向けたコンディション作りにも協力していた。
昨季からハンブルガーSVで主将を務め、厳しい残留争いを経験した酒井と再会し、「プレッシャーの中でのセルフコントロールや、苦しい中でチームを束ねる力は成長した部分」と片渕氏。「彼はチームにプラスに働きかけるパワーをもっている。ドイツであれだけ厳しい経験をしたことも、選ばれた要素の一つではないか」と頼もしさを増した教え子に期待を寄せる。
酒井がW杯へ行くのはこれが3度目。1度目は2010年の南アフリカW杯のバックアップメンバーとして。2度目は2014年のブラジルW杯に選ばれたが、出場機会はなかった。「W杯に3回行ける選手は、そうはいない。自分らしくプレーして、あいつらしい立ち居振る舞いをしてくれたら、その場に立てると思う。W杯に“行った”ではなく、“出た”証として、爪痕を残してほしい」とエールを送った。
新潟は今季15年ぶりに戦うJ2リーグで現在11位と波に乗れない状況だが、「ぼくらもリーグ戦ではずみをつけて、少しでもいい報告ができるようにしたい」と片渕氏。いつも古巣を気にかけてくれるという酒井に心配をかけないよう、チームの巻き返しも誓った。
(新潟担当 野本桂子)
2018/05/31 19:49