東日本大震災から丸7年。3月11日に開催される明治安田J2第3節讃岐戦に向けて、水戸は被災地のクラブとして特別な思いを持って挑む。チームを代弁して唯一当時チームに在籍していた本間幸司が思いを語った。
「正直、日々の生活の中で震災のことを忘れてしまうというか、記憶が薄れているところがあります。でも、やっぱり『3.11』と聞くと思い出す。今でも苦しんでいる人はたくさんいるし、つらい思いをしている人がたくさんいる。だから、『風化』させないためにももう一度あの日のことを思い出して戦うことが大事だと思います」と強い口調で語った。
水戸ホーリーホックというクラブもあの震災以降、地域との絆を深めることができた。
「茨城も大きな被害を受けました。僕らは何ができるかと模索しながらも、とにかく被害に遭った人に光や勇気や希望を伝えたいと思って必死に戦いました。クラブとしてもあれから地域貢献活動の回数を増やしましたし、地域と密な関係を築いていった。震災以降、『地域とともに』という思いがさらに強くなりました」と本間は振り返る。だからこそ、3月11日に向けて、「もう一度あの時の気持ちを思い出して戦わないといけない」と口にした。
その思いは水戸だけでなく、すべてのクラブで持ってもらいたい。そう本間は訴える。「僕らだけでなく、Jリーグ全体でそういう気持ちを持ってもらいたい。勝負は大事です。でも、それ以上にサッカーを通して『笑顔』を増やしていくことが僕たちの使命。Jリーガー全員がもう一度その思いを思い出してプレーしてもらいたい。そして、サポーターもそういう雰囲気を作ってもらいたい」とJリーグに関わるすべての人に呼びかけた。そして、こう続けた。
「『3.11』を深く噛みしめながらプレーをしたい。そして、もう一度『ここからさらに前に進もう』というメッセージを多くの人に届けられるように一生懸命プレーするし、お客さんと一緒にそういう空気を作っていきたい」
(水戸担当 佐藤拓也)
2018/03/09 13:57