ここ2試合はベンチスタートとなっている幸野だが「毎日、思っているし、毎朝、起きたときに考える」ことがある。その気になっていることとは自身の得点、アシスト、いわゆる数字に関わる部分だ。高い技術と独特のセンスを生かしたプレーは健在ながら以前とは違い、ハードワークの部分でも成長を見せるなど数字以外の部分でも貢献度は高い。それでも、「ここまで個人的にも決して悪いシーズンではないですけど、このまま終わったらモヤモヤした感じにしかならない」と2得点という現状には到底、納得できていない。
今節は、4位の長崎が5位の徳島を迎えるJ1昇格プレーオフ圏内直接対決となるが「そこ(1試合の重み)を感じられるのが年齢を重ねて成長したところかなと思うし、1試合に対する準備や心の持ちようなどはかなり意識している」と話す。1試合への重みを感じ、そこに至るまでのアプローチに対しては自分自身でも確かな成長を感じられているようだ。「まずは1点取って。そこからもっと取っていかないと個人としても一皮むけていけない」。
まだ24歳ながら、すでに6クラブでプレーするなさまざまな経験をした苦労人でもある。だからこそ、培った経験を数字に結びつける選手になれるかどうか。幸野にとっても重要な終盤戦へと突入していく。
そして、もう一つ、気にしているのが採点。「俺への採点、厳しくないですか?」と冗談めかして本紙での採点について記者に伝えたこともある。攻撃的な位置でのプレーとなるだけに、得点やアシストを記録すれば採点も比例して上がるのは間違いない。幸野が自らの力で「気になること」をクリアしていくことを期待したい。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
(長崎担当 杉山文宣)
2017/09/08 19:03