リーグ戦折り返し時点で5ゴール。そのうち3つが決勝ゴールと勝負強さは光るものの、チームを昇格に導くエースとして物足りない数字であることは、阪野豊史本人が一番に感じている。
山形は9試合負けなしを続け順位を一時5位まで上げたものの、序盤に先制される展開が続いたここ2試合は計9失点で連敗。今節の山口戦は、下降気味の調子を払拭し後半戦スタートダッシュを実現するための大事な一戦となる。
阪野と1トップのポジションを競う中山仁斗は約1ヵ月前から負傷離脱中。ライバル不在でポジションは安泰のように見えるが、むしろ代えの選手がいないことによる肉体的・精神的負担が大きくのしかかる。最近の試合ではチーム全体の噛み合わせが良くないことで、前線で体を張るもののサポートが思うように得られないーンも多い。ただ、いたずらに焦燥感に駆られそうなそんな状況を迎えても「サッカーは攻撃も守備も一体」と、冷静さと大局観を失わないのが阪野の長所だ。
「いま守備が悪いから失点が多いわけじゃないし、点が取れてないときも攻撃が悪いだけじゃない。まずはみんなで団結して、いいプレーが出せる流れだったり試合展開だったりを作れるようにするのが大事だと思います」
チームの歯車が噛み合い、力強く回り始めるまで、自分にできることを精一杯やるだけ。そんな阪野から静かな闘志が伝わってくる。
(山形担当 佐藤円)
2017/07/07 20:13