「超スゴイよね、マジで。無理だろ」。浦和のMF宇賀神友弥は笑いながら思わず少しぞんざいな口調で話したあと、こう続けた。「スゲーよ、ヒラさん」。
23日、宇賀神が29歳の誕生日を向かえた。年齢で言えば20代最後のシーズンであり、学年で言えば30代最初のシーズン。捉え方はそれぞれだが、宇賀神は「早いっすね、ホントに」と言いながら「もう30歳なんですよ」と笑った。
そんな宇賀神にとってこれ以上ないお手本であり、「学ばせてもらっている」存在が平川忠亮だ。同じワイドのポジションで同じ大卒からの浦和一筋。「トレーニングで対面することが多いけど、今でもヒラさんの駆け引きのうまさは一つも二つも上だなと思うシーンはたくさんある」と尊敬は尽きない。「考えることができない選手は生き残っていけない。トップレベルで生き残っていける人は常に考えながらサッカーができる選手。それをヒラさんが教えてくれた」。
宇賀神は現在、J1通算で187試合に出場しており、今季は200試合出場を目指す。「今季は200試合までいって、さらに300試合までいけるように。ヒラさんぐらい…」と言ったところで冒頭の発言に至った。宇賀神が平川と同じ330試合に達するには、シーズン全34試合に出場しても4年以上の期間を要する。
ただ、「本当にそこが目標」だ。8年目のシーズンを向かえてもまだ学ぶべきところが多く、かつ超えるべき存在がいることは宇賀神にとっては幸せなことだろう。「日本代表に入ればとりあえず一つ、ヒラさんを超えられるんだけど」。宇賀神はそう言って笑いながら、さらなる飛躍、そして将来の“平川超え”を目指して突き進む。
(浦和担当 菊地正典)
2017/03/23 22:35