昨季の甲府を救ったエースがようやく合流。11月25日にブラジルで左ひざの内視鏡手術(軟骨周辺のクリーニング手術)を行い、そのリハビリで来日が遅れていたドゥドゥが宮崎県綾町で合宿中のチームに2月6日に合流した。
吉田達磨新監督を迎えて選手の向上心や意欲を引き出す練習でチームは変化を見せているものの、4日の夜に主将の山本英臣がチーム内3人目となるインフルエンザを発症。5日から離脱しており、なんとなくの不安が漂っていた。しかし、明るい性格のドゥドゥが練習後に選手の輪に入ると、そこかしこで笑顔の花が咲いた。ドゥドゥのリハビリは最終段階だが、順調に進んでも2月26日の開幕戦で先発することは難しい見込み。それでも、ウイルソンとドゥドゥは最強コンビになり得るため、心強い選手がそろったことになる。
来日が遅れているとき、なんでもアリの世界だけに「代理人が移籍交渉をやっているのでは……」と報道陣は疑心暗鬼になっていた。佐久間悟GMによると、クラブが複数年の優先交渉権を持つそうだが、昨季途中で柏に移籍したクリスティアーノのように違約金を払うクラブが出てくればどうなるか判らない。違約金は甲府にとっては大きな金額だが、母体が大きいリッチクラブからすれば電話2~3本で用意できそうな金額(推定)。佐久間GMは「(昨季終盤の)けががなければ(契約延長自体が)どうなっていたか分からない」という。
ドゥドゥにはウイルソンと組んで活躍してほしいが、そうすればリッチクラブの関心を惹きつける。ただ、その心配をするのは達磨甲府が結果を出してから。「吉田さんは僕を日本に呼んでくれた恩人(14年8月に柏に加入した際、吉田氏が強化ダイレクターを担当)。監督・選手という関係で仕事をするのは初めてだけど、感謝の気持ちを表したい。ウイルソンとは連係できると思うし結果も残せる」と話すドゥドゥ。さっそく報道陣に囲まれて取材に応じた言葉に自信はたっぷりと詰まっていた。
(甲府担当 マツオジュン)
2017/02/06 10:08