27日に行われた天皇杯1回戦・東京国際大学戦(1○0)で水戸は絶好の位置からのFKを得た。そこでキッカーを務めたのはMF船谷圭祐ではなく、プロ2年目のDF麦倉捺木だった。
麦倉にキッカーを譲った理由を船谷はこう語った。
「(麦倉は)毎日練習で良いボールを蹴っているのを見ていますし、練習で何本もFKを決めているのを見ているので、彼に蹴らせました」
さらに、キッカーを譲る決断を下させたのは麦倉の積極性だった。FKを獲得したあと、「蹴りたい」と船谷に懇願したのだという。ならば、ということで麦倉にチャンスを与えたのだった。
残念ながらシュートは相手にブロックされてゴールはならなかった。ただ、一連の麦倉の言動は、いまだリーグ戦出場のない彼にとって大きな経験となったに違いない。今後の成長につながることだろう。
「俺も蹴りたかったですけどね」と笑みを見せた船谷からキャプテンとしての懐の深さを感じざるにはいられなかった。
(水戸担当 佐藤拓也)
2016/08/29 10:14