今季、流通経済大学を卒業して、長崎に加入した期待のルーキー中村慶太が、ここへ来てさらなる好調さを発揮している。
「誰にも負けない自信がある」と語るドリブルと、高木監督が「まだ荒削りで計算できない面もあるが、チームの中で1番ゴールへの意識はあるかもしれない」と評するアグレッシブさ。この二つを大きな武器として、長崎にとってJリーグ参入後初となる、大卒ルーキーの開幕戦出場を果たし、ここまでリーグ全試合に出場中の中村。
前節の松本戦では、大学でのプレー経験はあるが、「3バックでワイドをやった経験が少ないので、守備に不安がある」と語っていた右サイドで起用され、得意のドリブルから同点ゴールをアシスト。高木監督の「ミラーゲームのワイドではクロッサーより、相手をはがしていけるドリブラーの方が効果的」という期待に応えるだけでなく、不安を口にしていた守備でも、DF村上佑介のコーチングに助けられながら、大きなミス無く乗り切ってみせた。
高校、大学で共にプレーし、一緒に長崎へ入団した田上大地とプロ入り前に交わした「スタメンで出よう」という約束を果たし、明るい人柄でサポーターの心もつかむなど、順調なルーキーイヤーを送っている中村だが、そろそろ「毎回、狙っている」と語るJリーグ初得点をあげたいところだろう。「前節以上のパフォーマンスを見せたい」と意気込む東京ヴェルディ戦は、友人たちも観戦にくるという。「あいつは、何か持ってますよ。やってくれると思います」。関係者がそう評する勝負強さを持つだけに、ヴェルディ戦ではキーマンとなりそうな予感がその周囲には漂っている。
(長崎担当 藤原裕久)
2016/04/08 21:45