それはいわゆる“ゾーン”だったのだろうか。明治安田J1・1st第14節・鳥栖戦(6○1)で3試合連続ゴールを決めたFW武藤雄樹。ペナルティーエリアの外から決めた見事なゴールについて、「トラップは偶然だったけど良いところにボールを置けて、コースも見えた」と説明した。
シュート自体も見事だったが、それ以上と言えるほどに驚かされたのは、“偶然のトラップ”の後、瞬時にゴールの位置を確認していたこと。それについて武藤は「あの瞬間、凄くゆっくりに感じて、バックステップを踏んでるぐらいの感じでゴールを見ていた。FKみたいになっていたけど」と笑いつつ、「何か分からないぐらい落ち着いていたんですよね、あの時。ゴールが見えて、蹴った瞬間に入ったと思った」とコメント。自らも説明できないような“無の境地”だったようだ。極度に集中して無意識のうちに好プレーが生まれるような状態を“ゾーン”と言うが、好調が続く武藤らしいエピソードと言えるだろう。
(浦和担当 菊地正典)
2015/06/01 20:00