「ブンデス最速」と言われる男がいま、ドルトムントで大暴れしている。その選手の名はピエール=エメリク・オーバメヤン。今季、フランスのサンテティエンヌからやって来たガボン代表FWは開幕戦でいきなりハットトリックを達成すると、ここまで(第19節終了時)リーグ戦19試合に出場し11ゴールを記録。これはレバンドフスキーと並ぶチーム最多の数字であり、得点ランクでは2位タイにランクインしている。フランスのリーグアンにおいて過去2季で39ゴールという決定力を評価されて加入したオーバメヤンは、ドルトムントの人々を納得させる活躍を見せている。
『ビルト』紙が発表したブンデス最高速度ランキングでは、時速35.1㎞で3位に甘んじている。この記録自体は前期日程の途中という少し前に発表されたものであり、あくまでもプレー中の選手の最高速度を計測したものに過ぎないが、記録上オーバメヤンは「ブンデス最速」ではないことになる。ならば、なぜ彼は「ブンデス最速」と言われるのだろうか?その秘密は彼の加速の速さにある。30mを3.7秒で走る彼の初速は、何とあのウサイン・ボルトにも劣らないのだ。実際に彼のマークを担当することになった日本代表DF酒井高もかつて体験したことのないレベルの速さに驚きを隠すことができず、普通の選手よりも距離を取って対応しなければならなかった。
そんなオーバメヤンは不思議に満ちている。スパイクはラメでキラキラに飾り付けされており、サンテティエンヌ時代にはスパイダーマンに扮したゴールパフォーマンスを行うようなお茶目な一面を持っている。一方で、性格は内向的なようで、バツケCEOも「彼はおとなしいタイプの人間だ」と語っている。
ブンデスリーガ、ドイツ杯、CLと3つの大会で上位進出を狙うドルトムントだが、今季は主力にけが人が続出。ポジションを争うブワシュチコフスキーがじん帯断裂で今季絶望ということもありオーバメヤンにかかる期待は大きい。速くて決定力があって不思議な男オーバメヤン。BIGの対象試合ともなっている15日のフランクフルト戦も要チェックだ。(山口 裕平)
(BLOGOLA編集部)
2014/02/14 11:10