4日、川崎FはDF伊藤宏樹が今季限りで引退することを発表した。
2001年に川崎Fに加入し、13シーズン目を迎えた今季。クラブ最古参の選手が、遂にユニフォームを脱ぐこととなった。
4日の練習後、記者陣を前に伊藤は、「まずは皆さんにありがとうございましたとお伝えしたいです。引退はここ数年は常に考えていた。タイトルを獲っていればいつでも辞められたと思う。でもそろそろ自分の体もイメージとついていかず、動けなくなってきたことが理由です」と語った。以前は試合に出続け負傷も少なかった伊藤も、ここ数年はケガ続きとなることが多く、結果的にそれが引退の決め手となった。
決断は自分自身で下したという。
「普段は嫁さんの言うことを聞くことが多いですけど(笑)、でも今回は誰にも相談せずに自分で決めたことです。もちろん寂しいけど、でもいまはスッキリもしています」。
唯一、長年川崎Fでともに連れ添った“戦友”中村憲剛には、数週間前に報告した。その中村は「すぐに引き止めたし、『ふざけんな』とも言ったけど、でも宏樹さんの決意は固かった」とこぼしている。
「2001年からフロンターレに関わってきた。まだJ2だったし、等々力(競技場)に来るサポーターも少なかった。そこからどんどん大きくなっていくフロンターレを見てきた。ただ、僕の履歴を見ても、準優勝が5回。だから今年の天皇杯を獲って、最後は主将のケンゴ(中村憲剛)から優勝カップを奪って掲げるイメージはできています(笑)」。
今後はクラブスタッフとしてフロンターレに残る見込みの伊藤。天皇杯決勝までを含めると、リーグ戦最終節を合わせて残り4試合。背番号2を付けた『ミスター・フロンターレ』の勇姿を見られるのも、あとわずかだ。
「まずは週末のマリノス戦。等々力で優勝はさせたくないですね」。
伊藤のラストスパートを、目に焼き付けたい。
(川崎F担当 西川結城)
2013/12/04 19:14