今節は、新井場徹選手が累積警告により出場停止。その代役は左SBを本職とするアレックス選手の復帰か、はたまた鈴木隆雅選手の大抜擢か。しかしその可能性をグンと高めたのはどちらでもなく、鹿島きってのマルチプレーヤーでした。
柏戦を控えた20日、注目の左SBには青木剛選手が抜擢されました。もっとも途中からはMF柴崎岳選手も試されており、その代役がどちらに託されるのかいまのところは不透明ですが、もし実現すれば「左はないですね」(青木選手)と新境地を拓くことになります。
「右SBはやったことありますし、あとは3ボランチの左もあります。左のハーフもやったことがあるので、左のSBに限って言えば、やったことがないポジションですね」
本来はボランチを本職とする青木選手ですが、CBはもちろんのこと、これだけ多くのポジションを柔軟にこなす、マルチな才能をいかんなく発揮してきました。 中でもCBをこなした回数は本職の域に達していると言ってもいいほど。いつだか、CBというポジションについて問われた青木選手は「もう(CBが)本職じゃないとは言われたくない」と話していました。たとえ未経験の左SBで出場するとなれど、「右はやったことがあるので、(練習では)右の感じを思い出しながらやりました。守備のポジショニングに関しては、CBで何度もやっているのでイメージはある。ただ、攻撃のときは体の向きが右とは違うのでもう少し感覚を持ってできればいいと思う」。初挑戦にも関わらず、明確なイメージを持てるのは、これまでの経験があってこそ。そして“2つの本職”があってこそ。青木選手ならではの言葉でした。
対峙するは、柏が誇る強烈な右サイド・“酒井-レアンドロライン”。これについては「酒井とレアンドロ・ドミンゲスの右サイドのコンビは、Jの中でもトップクラスだと思う。そこの守備のケアは一つ大事なところなので、特に意識したい」と、青木選手も強く警戒を示す柏の強み。もし左SBでの出場となれば、鹿のマルチプレーヤーvs太陽王のホットラインには要注目です。
(鹿島担当 村本裕太)
2012/06/21 00:00