約1ヵ月に及んだW杯はフランスの優勝によって幕を閉じ、水曜日にはようやくJ1も再開した。J2も含め、夏の移籍ウインドーも本日オープン。各チームにすでに合流している選手のほとんどが登録され、今週末から行われる試合に出場可能になる。
J2では東京Vが泉澤仁とレアンドロを獲得して話題となっているが、この夏の補強選手でやはり最大の注目は神戸のアンドレス・イニエスタ、そして鳥栖のフェルナンド・トーレスに譲るだろう。片やバルセロナを象徴する選手であり、片やアトレティコ・マドリーやリバプールを渡り歩いたストライカー。彼らをよく知る東京Vのロティーナ監督は、「彼らが日本サッカーにもたらすものは大きい」と断言する。
「彼らは素晴らしい経歴を持っているし、まだ十二分にプレーできる状態にある。人間としても素晴らしい。サッカー選手としてのキャラクターは違うが、2人ともサッカーが大好きで、サッカーにすべてを捧げ、その捧げることを楽しむことができる。私としても非常に楽しみにしています」
スペインでクラブチームを率いて「彼らとは何度も対戦したことがある」というロティーナ監督。イニエスタについては「今でも世界のベストの中盤の選手の一人」と評価。「彼のクオリティーを生かして神戸に適応していけるはずだし、逆に神戸も彼の能力をできるだけ引き出すために、彼に適応していく必要がある。重要となるのは、お互いが適応していくこと」と、活躍のためのポイントを語った。さらにトーレスについても、「彼は素晴らしいストライカー。彼に良いボールを配球できる選手がいれば多くのゴールを決めるはずだ」と太鼓判を押した。
二人とも22日の試合出場に意欲を示しているとされるが、トーレスは出場が濃厚なものの、イニエスタはコンディション面から微妙との一部報道もある。彼らの当面の敵は、ピッチ内ではなく今年の日本の異常な猛暑かもしれない。実際、東京Vではここ数日、練習時間を10時開始の予定から18時に変更している。「湿気と混じって、とてもたえがたい暑さだ。スペインも暑いことは暑いが、これくらい暑いときはスペインでもこの時間にトレーニングします」と、げんなりした顔で語るロティーナ監督。日本では1年先輩として、日本の夏を乗り切る秘訣をアドバイスする機会もあるかもしれない。
(東京V担当 芥川和久)
2018/07/20 21:28