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　先般、巷で「静岡の横断バッグ」なるものが話題になった。

　静岡県民にはお馴染みの、黄色地に「横断中」マークがプリントされた学童用バッグで、横断歩道の旗がそのまま手提げ鞄になったような一品だ。静岡ではポピュラーすぎるあまり、ほとんどの静岡県民が全国的に使われていると思っていたようで、テレビ番組で取り上げられると「えっ、他県にはないの!?」と驚愕する者が続出した。

　真相を確かめるべく静岡出身の風間宏矢に直撃すると「使ってましたよ。ランドセルとセットで持ってました」と懐かしげ。だが、そのバッグが静岡以外には存在しないことを告げると、やはり風間も「えっ、嘘でしょ？」と動揺した。横断中でもないのに「横断中」と書かれたバッグを手に登下校。かといって横断歩道を渡る折に高く掲げたこともないという。「意味も考えず自然体で使ってました」という風間の証言どおり、横断バッグは、静岡のライフシーンに根深く浸透した文化だった。