[W杯ガイド準々決勝展望] 強国激突。ベスト4の座を懸けて
[W杯ガイド準々決勝展望] 強国激突。ベスト4の座を懸けて
Photo: UNIPHOTO PRESS
1日にベルギーが米国を下してベスト8最後の椅子を勝ち取り、準々決勝に挑む8チームすべてが出そろった。8チームを地域別に見てみると、欧州4、南米3、中南米1となり、南米チームの躍進が目立つ。また、各グループを1位突破したチームはすべて準々決勝に進んだ。これはグループ2位以上が決勝トーナメント進出できる方式になった1998年フランス大会以来初のことである。
●フランスvsドイツ
準々決勝の1試合目は日本時間7月5日1時キックオフのフランスvsドイツの試合だ。ともに攻撃力に秀でるチームで、決勝ト-ナメント1回戦ではアフリカ勢を破っている。フランスは両サイドのバルブエナ、グリーズマン中心とした多彩なサイド攻撃、ドイツは中盤の構成力生かし、流れるような攻撃を展開する。昨年2月の親善試合では2-1でドイツが勝ったが、実力は拮抗しており、両チームのポイントゲッターであるベンゼマ、ミュラーのどちらが多くの仕事をこなすかが勝敗の分かれ目となるだろう。
●ブラジルvsコロンビア
2試合目は同日5時キックオフのブラジルvsコロンビア。準々決勝最注目の一戦と言ってもいいかもしれない。この試合の見どころはなんといっても両チームのエース対決だ。ブラジルのエース、ネイマールはここまで4得点と結果こそ残しているものの本領発揮とは言えない。一方、コロンビアのエース・ハメス・ロドリゲスは、司令塔としてチームの攻撃を操りながら自身も5得点を挙げ、得点ランク単独首位をキープ。数字、内容を比較してもここまでの活躍はコロンビアのエースに軍配が上がる。ただ、目の前でみすみす主役を奪われるような選手は、そもそも王国の10番を背負ってはいないだろう。隣国同士、国と個人のプライドを懸けた激しい試合になりそうだ。
●アルゼンチンvsベルギー
3試合目は日本時間で7月6日1時キックオフのアルゼンチンvsベルギーだ。このカードは1986年メキシコ大会準決勝と同カードになる。両者攻撃的なサッカーを展開するが、その内実は対照的だ。トップクラスの選手をそろえ、チームとしての連動を欠きながらも、最後は個人技で勝負を決めてきたアルゼンチン。各選手の特徴を存分に生かし、攻守にバランスの良い試合を展開するベルギー。この構図は28年前のメキシコ大会とも重なる。28年前は、マラドーナという強烈な「個」の得点でアルゼンチンがベルギーを破った。今回もメッシがマラドーナに代わり、圧倒的な「個」の力でベルギーの夢を阻むのか。
●オランダvsコスタリカ
4試合目は同日5時キックオフのオランダvsコスタリカだ。ともに堅守速攻を得意とするチームの対戦だが、地力で上回るオランダがボールを支配し、コスタリカが耐えるという展開が続くだろう。ただここに、オランダの難しさがある。ロッベンのスピードを生かした速攻以外、有効な攻撃の形はあまりできていない。相手に引かれ、攻めあぐねているうちに、コスタリカが得意とするカウンターの餌食になる可能性も否めない。さらに中盤の守備の要・デヨングが負傷で欠場の可能性が高いだけに、オランダは攻撃時のリスクマネイジメントが重要になるだろう。