[注目国ファイルNO.4]継続のドイツ、狙うはもちろん90年以来の頂点
[注目国ファイルNO.4]継続のドイツ、狙うはもちろん90年以来の頂点
■特長は前線の流動性
若きタレントが躍動し前回大会で3位となったドイツは、継続路線で今大会での優勝を見据える。このチームの指揮を執って8年目となるヨアヒム・レーブ監督の下、全選手が運動量豊富にピッチを走り、素早くボールをつなぐ“高速ポゼッション”で相手ゴールに迫る“近代的なサッカー”はさらにその成熟度を増している。さまざまなタイプの選手がそろう前線の流動性がこのチームの特長であり、最大の武器である。
大会前の懸念材料はけが人の多さだ。加えて大会前最後の親善試合だった6日のアルメニア戦でドルトムントのMFマルコ・ロイスが負傷離脱となってしまった。大会を彩るスター候補の一人として注目されていただけに残念な離脱である。経験豊富なラーム、シュバインシュタイガー、守護神のノイアー、けがから復帰したばかりのケディラもけがの影響で万全とは言えない状態。グループステージはコンディションが上がり切らずに苦戦するかもしれない。ポルトガル、米国、ガーナと曲者がそろったグループGは簡単に勝ち抜けるものではないだろう。
■新たな方向性も模索
それでも、伝統の強国であるドイツが早々に大会から姿を消すことは考えにくい。前回大会で得点王に輝いたミュラーのように、新星が生まれる可能性もある。1トップにはW杯通算14得点のクローゼの先発が予想されるが、ゲッツェやエジルを最前線に置く“ゼロトップ”という新たな方向性も模索してきた。
高温多湿の会場が少なくなく、移動距離も長い今大会で、走るサッカーの強度をどこまで保てるかも一つのポイントとなるが、90年大会以来となるW杯優勝の栄光に輝く可能性は低くない。
■注目選手 MF 19 マリオ ゲッツェ
抜群のシュートテクニックを誇るドイツの星
欧州予選7試合に出場し4得点を記録。俊敏性とシュートテクニックに優れるアタッカーで、2列目を本職とするが今大会では1トップでの起用も考えられる。ドルトムントのユースチーム出身で、トップチームで活躍した後にバイエルン・ミュンヘンへ移籍。「100年に1度の才能」とも絶賛されているドイツの星だ。