BIG・totoがブラジルW杯を対象に

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ポゼッションかプレッシングか。世界のサッカーに酔いしれる1カ月

ポゼッションかプレッシングか。世界のサッカーに酔いしれる1カ月

 いよいよ6月12日に開幕を迎えるブラジルW杯。前回大会、決勝戦でスペインがオランダを破ってから4年。クラブチームが世界基準となる時代だが、大きく変貌するサッカー界を世界規模で感じることができるのはW杯だけ。国の威信を懸けた大会が、いままさに開幕する。
 4年前、南アフリカの地でサッカーファンが酔いしれたのはスペインのポゼッションサッカーだった。そのスタイルは実に理想的で、多くのチームが彼らに近付こうと試みた。だが、本家を越えるチームは現れなかった。果たして、時代は移り変わる。クラブレベルで新たに主流となったのは、ハードワークをいとわないプレッシングサッカーだ。今大会は、大きく分けてこの二つのスタイルがぶつかり合うことになるだろう。
 優勝候補最有力に挙げられるのは開催国ブラジル。プレッシングとカウンターを組み合わせたスタイルは新たなブラジルを予感させている。攻撃の要であるネイマールを筆頭に、オスカルやフッキといったスピードのある攻撃陣は強力。開催国としてのプレッシャーはあるが、優勝の可能性は間違いなく高い。
 もう一つの優勝候補は、前回大会の覇者スペイン。この4年間で多くのチームに研究されたことで、スペインのポゼッションサッカーは“絶対”ではなくなった。ただし、それでも彼らが優勝候補から外れることはない。一時代を築いたバルセロナの選手たちを中心にスタイルは継続。W杯2連覇を目指す。
 この2チームに続くのが、ドイツやイタリアといった欧州勢とアルゼンチンやウルグアイを筆頭とした南米勢だ。タレントが豊富な新星ベルギーや初出場のボスニア・ヘルツェゴビナも興味深い。南米勢では過去にウニベルシダ・デ・チリを強豪に仕立て上げたサンパオリ監督率いるチリや、日本と対戦するコロンビアも注目国だ。さらに前回大会ベスト8のガーナを含むアフリカ勢や北中米・カリブ勢。そしてわれらが日本を含むアジア勢が名を連ねる。
 7月13日、決勝の地マラカナン・スタジアムでワールドカップを掲げるのは――。世界のサッカーに酔いしれる日々が間もなく始まる。(林 遼平)