多くの犠牲者が出た昨年7月の九州北部豪雨。その復興支援としてさまざまな活動を行った福岡の選手会が今年も支援を継続。今回は被害の大きかった東峰村の子どもたちを今節の水戸戦に招待するほかに、焼き物の里として知られる東峰村・高取焼の窯元『鬼丸雪山窯元』の二代目・鬼丸碧山氏と協力し、選手が絵付けした高取焼のマグカップを試合会場で販売。その売上金で購入したサッカーボールなどを寄贈することを決めたのだ。
選手が絵付けをして焼き上がった陶製マグカップが8月8日に雁の巣練習場に届き、選手やクラブスタッフ、記者らが目にすることになった。選手それぞれのパーソナリティーが垣間見える作品の中で特に注目を集めた一品があった。
選手会会長で今企画を中心になって進めた實藤友紀も最優秀作品に挙げて自らスマホで何枚も撮影していたのが写真のもの。「ここに描かれているものが人なのかどうかの答え探しなど無意味に思える、まさにアートだ!」と實藤が絶賛したのは、森本貴幸が絵付けをした一品だった。
ほとんどの選手が自らの作品の出来栄えをチェックし終わったあとに、ゆっくりと登場した森本は「思っていたより、線の出方が薄かったな」とボソリ。ドラマなどでよく見る、出来上がりに不満な陶芸家がやるように床に作品をたたきつけて割るようなことはしなかったが、アーティスト特有の風格と空気を醸し出してチェックを終えた森本はコーヒーをすすりながら、帰途についたのだった。
森本を始め選手が絵付けしたのは一人8個。チャリティーということで一つ4,000円での販売となる。もちろん森本以外の選手の作品も、どれも味があるものばかりで、作者のサイン入りの桐箱付き。11日の水戸戦が行われるレベルファイブスタジアムで販売される。お気に入りの選手の一品を手にして被災地支援に一役買ってみてはいかがだろう。
(福岡担当 島田徹)
2018/08/09 16:07