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　その瞬間、ク－ルな指揮官が珍しく派手なガッツポーズを見せた。

　それは1-0で迎えた前節・千葉戦（2○0）の試合終了間際。松井大輔のダメ押し点が決まると、名波浩監督は両腕でガッツポーズし、コーチ陣と抱き合って喜んだ。

　同監督にそのことを質問すると、「そんなに喜んでた?」と少しはにかんだ上で、その理由をこう明かした。

「もちろん追加点という意味もあるけど、それを（松井）大輔が決めたというのもある」

　松井にとってはこれが今季初ゴール。今季は開幕から先発に入れず、第8節・東京V戦（2○0）で今季初スタメンとなるも、続く千葉戦では再びベンチに座ることになった。「文句を言わずに、悔しい思いを押し殺してやってくれた。本当に頭が下がる思いです」（同監督）。

　その松井は、「常に準備していることはサブにとって当たり前のこと」と言い切る。内に秘めた闘争心はピッチ上で表現する――。経験豊富なベテランが、首位を走る磐田を支えている。