「現役のうちはあまり過去を振り返りたくはないけど、やっぱりいろいろあった」(森田)。
Jのピッチは遠のいたかに思えたが、北野誠監督はJFL時代に対戦相手として相対した森田を「かなり苦しめられた」と高く評価。そして、指揮官に招かる形でチームのJ2昇格とともに9年越しのJデビューのチャンスを得たのだ。「(精神的に折れることが)ないと言ったらウソになるけど、それも含めてサッカー人生だと思う。良いことだけが続くとは思っていないし、挫折することも人として成長する大事なものだと捉えていた」と前向きな姿勢を貫き、来るべくJデビューに備えていた。
森田はJデビュー戦を振り返っても「いつも通りの緊張感があった。でも、どの試合が大事でどの試合が大事じゃないということはない」と全力で臨むメンタリティーに変わりはない。
しかし、試合後には「シンプルに(Jリーグの)ピッチに立てて良かったと感じた」と本音をポロリ。ただ、もちろんプロで1試合戦うためだけにこの舞台に戻ってきたわけではない。遅いプロデビューではあるが、チームを勝利に導いていない現時点では遅“咲き”ともまだ呼べない。
だからこそ、不屈の魂を持ったこの苦労人は「今後もやれることを100%でやるだけ」とクラブ初白星をもたらすため、今節の松本戦に真っすぐ目を向けている。
(讃岐担当 松本隆志)
2014/03/21 22:33