巻選手移籍会見全文「笑われるかもしれないけど、僕の中ではマンUやバルサと同じ価値がジェフにはある」 « サッカー専門新聞 エル・ゴラッソ web版 BLOGOLA

巻選手移籍会見全文「笑われるかもしれないけど、僕の中ではマンUやバルサと同じ価値がジェフにはある」

会見に臨む巻選手

会見に臨む巻選手

巻誠一郎選手

「今回、わたくし、巻誠一郎はジェフユナイテッド千葉からアムカル・ペルミの方へ移籍することが決まりました。

移籍するにあたり、ロシアリーグのアムカル・ペルミさんの方には僕に世界の舞台でチャレンジする機会を与えてもらったということに関して非常に感謝していますし、今まで自分がジェフで、このクラブで培ってきたことがどれくらい通用するのかと。そういうことにチャレンジしてみたいなと思いますし、僕自身も年齢が30歳になるということで厳しいチャレンジだということは僕自身、自覚していますし、そういう中でここからでももう1度成功できるということを日本の皆さんに見せたいと。そういう気持ちが強くて今回のチャレンジに至りました。そのチャレンジするという中でジェフをJ2の舞台に僕自身、落としてしまったという責任を非常に感じていますし、志半ばというかチームも今、苦しい状況ですし、そういうときにクラブを去るということは本当にいいのかと僕自身、悩みましたし、J1昇格をしっかりと見届けるべきではないかとそういう気持ちもありましたけど僕自身、何度か海外にチャレンジできるチャンスを頂きましたけどもこのクラブで成功したい、何かを残したいという気持ちで今までこのクラブでプレーしてきました。

そういう中で本当にラストチャンスだと僕自身、そういう思いが強く移籍の決断に至りました。その中でこのクラブには主力選手が次々と抜けていく厳しい時代もありましたし、そういう中で僕自身、選手がこのクラブでプレーしたい、誇りを持てるクラブにしたいと。そういうクラブを作りたいという思いでこのクラブに残り続けて何とか選手の目線から変えたいと思ってプレーしてきました。そういう中で僕自身、このクラブを去らなければいけなくなったことは悔しさを無念さも正直、あります。しかし、このクラブにはこれから先、このクラブを去る身ですけど、去っていく選手であったり、入ってきてプレーする選手であったりというのがしっかりと誇りを持ってプレーできるそういうクラブになってほしいと思いますし、選手に対する配慮であったり心遣いを忘れないそういうクラブになっていってほしいと思います。そういう部分ではまだまだこのクラブは成長できるとそういう風に思っています。それが僕の気持ちですし、とはいえすごくポジティブな、僕の中では移籍だと思っています。

最後は笑顔で皆さんにあいさつできればという気持ちでいっぱいです。このクラブには色々と本当にお世話になったと思っているので感謝の気持ちでいっぱいです」

三木博計社長

「本日は大変、多くの皆さんにお集まりいただきまして巻誠一郎の移籍記者会見ができますことを大変うれしく思います。多くの皆さんにお集まりいただきまして誠にありがとうございます。我々も急遽な話と言いますかシーズン途中でもありますし、巻くんが新たな新天地で頑張るという決意を固めて皆さんに発表できますことをわたくしとしては嬉しく思う反面、ぜひ巻くんには頑張っていただきたいなという風に思います。

非常に色々な苦しみ、決断があったと思いますが彼ならば今までのガッツで必ずややっていただけるものと思いますし、巻くんの名声を高めてもらいたいですし、合わせてジェフの名声も高めてもらいたい。今後の健闘を祈りたいと。どうぞよろしくお願いいたします」

 

会見には三木社長も同席

■質疑応答

――次の、当面の目標は
「まずはやっぱり海外のクラブでチャレンジするということで試合に出ないと得られるものは少ないということを僕自身、思っていまして。やっぱり試合に出続けるということは海外ではイコール結果を残し続ける、FWの僕としてはゴールというものを結果が形に見えないといけないと思うのでゴールを取り続けることが非常に重要なんじゃないかなと思います」

――ロシア視察での印象は

「クラブのスタジアムだったり、練習環境というのは非常に整備されていましたし、僕自身、何の問題もなくプレーできるのかなという風に思いますし、スタジアムは人工芝のスタジアムなんですけどサポーターもたくさん入ってくれるという話も聞きましたし、クラブの関係者の人たちも非常に温かく迎えてくれて、『僕らのクラブはアットホームだ』とそういう風な話をしてくれたので非常に安心しています」

 

時折、笑顔を見せる場面も

――ジェフで1番成長できたと思う部分は

「まずは精神的な部分での成長が1番大きかったかなと。苦しい時期も味わいましたし、歓喜の瞬間もたくさん味わいました。その中で自分がプレーするという責任感、責任を持ってプレーするということを多く学びました。技術的にも戦術的にもたくさんのものを学ばせていただきましたし、そういうこともたくさんありますけどもやっぱりメンタル的な、そういうものがこのクラブに入って1番成長できた部分だと思いますし、そういうものは今後、必ず僕の役に立つんじゃないかなと思います」

――ジェフのプレーヤーとして1番印象に残っている試合は

「もちろんナビスコカップの初優勝であったり、2回目の優勝だったりは非常に印象に残っていますけどもそれでも1番印象に残っているのは昨年のJ2に落としてしまった瞬間というのは僕の中で1番印象に残っていますし、これからも忘れることはないかなと思います」

――ロシアという舞台でここで勝負したいという部分、またロシアには本田圭佑選手がいますが彼について

「まずは僕自身、FWですし、ゴールを取ることというのを期待されて移籍に至ったと思いますし、僕のストロングポイントというのはゴール前での勝負強さであったり、そういうゴールに向かう泥臭さだと思うのでそういう部分は必ず出していきたいなと思う部分ですね。本田選手に関してはやっぱり向こうのリーグでしっかり結果を残している、活躍しているということで日本人の価値というのが非常に上がっているなというのは感じました。そういうところで僕自身も日本人だからという目じゃなくてフラットな目で1人の選手として見ていただけてるんじゃないかなと思いますし、本田選手には感謝していますね」

――(三木社長へ)巻選手が先ほど『クラブをみんなが誇りに思えるクラブ作りをしたい』と話していましたがその取り組みについてどういう風に評価されているのか、また巻選手との今後の関わり合いについて考えがあればお聞かせください

三木社長「どの選手がこのクラブを1番愛しているとかそういう話ではなくてみんな、このクラブのために一生懸命やろうという風に思って頑張ってきてくれたし、巻くんも一生懸命、駒澤大学を出てからこの間、頑張ってきてくれました。誰がどうのではないと思いますし、やはり今、我々はこのJ2で非常に厳しい状況にありますがしっかり勝ち上がるということが巻選手に対する1つのはなむけというか結果になるのではないかなと、彼が言いましたように今年はちょっと上期の結果はあまり出ていませんが泥臭くやるという彼自身、そういうイメージをきちんと持っているし、しっかり頑張れる選手ですからやれると思うし、やってもらいたいですね。本田選手もロシアで頑張っていますし、日本人の多くの選手が(海外に)行っていますが全ての選手が成功したとは、ロシアじゃなくてヨーロッパに行っている選手含めて成功したとは思えないですが彼ならばやってくれるんじゃないかなと思いますね。期待をしています」

――(三木社長へ)2007年オフに5人が流出し、フロントは今後、こういうことがないように、誓いを立てた中でそれから2年半で選手が無念さを感じる移籍に追い込んだように感じるんですが誓いは忘れたのでしょうか

三木社長「追い込んだ…そこはだいぶ見方が違うんじゃないかなと思いますね。我々はオファーが来たときには選手に伝えるというのが以前からの鉄則ですから巻選手とは来年1月までの契約があるからということですけども我々はオファーがあったときには必ず選手本人には伝えるということはやってきていますからその後は選手個人がどうするかということなんだろうと思いますし、できるだけ巻選手の意思を尊重する方が正しいかなという判断をしたということですね」

――(三木社長へ)正式契約の前に練習不参加の通達をしたことについては

三木社長「練習に出るなというか正式な前に仮契約というのもありますし、ケガというのは我々としては大きな心配があったということですね。これからロシアに行こうという選手にとってケガは大きな問題になる可能性がありますのでそういうことを含めてこういうことだったと理解してもらいたいと思います」

――挑戦し続けてきたプロ人生だと思いますが今回の新たな挑戦をどう糧に

「今年、ジェフでなかなか出場機会がなく中断期間が明けてからもなかなかチャンスがないような形になるよりは僕自身、イチプレーヤーでいたいな、と。サッカーをやりたいなというかワールドカップを見ていても世界の舞台で戦いたいとそういう思いが沸々と湧いてきましてそういう中で僕自身、何がやりたいんだと。そういう中で今まで断念してきたことにチャレンジしたいな、と。せっかく海外にチャレンジする機会を頂きましたし、ここで自分自身、そのチャンスを無駄にすることはしたくないという風に考えましたし、本当に自分ができることがどれくらいあるのかということを試したいし、必ず成功したいという強い意志は持っています」

――2003年からジェフでプレーしてきて良いときも悪いときもサポーターの応援があったと思いますがサポーターへの思いは

「僕自身、2003年にジェフに入って本当に皆さんの前でプレーするのが恥ずかしいようなプレーのときからジェフのサポーターは温かく僕のことを見守ってくれてましたし、今の僕があるというのはそういうサポーターの皆さんのそういう力があったからだと思いますし、僕自身、ジェフのサポーターのみなさんが育ててくれたという風に思っています。本当にサポーターの皆さんには感謝しています」

 

サポーターへの思いから目を潤ませる

――ジェフでの経験は今後のサッカー人生にどう影響を与えるでしょうか

「ここでプレーしてきたことというのは僕の中での、サッカー人生においてもそうですし、僕の人生においても非常に濃い生活だったなと思います。どういう風に生かすかというのはやっぱりこれからの自分の取り組み方次第だとは思いますけど絶対にこういう経験というのは次に生かさなければいけないと思いますし、たくさんの方が僕自身、後押ししてくれていますし、応援してくれてると思っているのでそういう気持ちを大切にして前に進んでいきたいと思います」

――CSKAモスクワには本田圭佑選手も在籍していますが対戦する際にはどう臨みたいでしょうか

「本田選手は問題なく試合に出場できると思いますけど問題は僕の方で、ロシアリーグでは対戦するとすれば最終節になるのでそこまでに僕自身もやっぱりもらったチャンスでしっかりと結果を残して試合に出続けなければいけないという風に思っていますし、そうやって同じピッチの上で対戦できるようにそこまでの過程を大切にしたいと思います」

――この時期、多くの日本人選手がヨーロッパに移籍し、中にはここがキャリアの終着点ではないという話もされていますが巻選手の今後の展望は

「もちろん、サッカー選手としてプレーしている以上は高い目標、もっと上のステップ、自分が望むようなスタイルであったり、そういうものを追及したいなという部分はありますし、もっともっとチャレンジしたいなという気持ちはありますけども僕自身、今回の移籍でもう1度ジェフに帰ってこられるチャンスを頂いたという風に思っていますし、僕の中ではマンチェスターユナイテッドだったりバルセロナだったり、そういうクラブと同じ価値がこのクラブには、僕の中にはあるんですね。みんなには笑われるかもしれないですけど本当にそれくらいの価値が僕の中にはあるんですよ。またこのクラブでプレーできることを望みますし、戻ってこられるように頑張りたいと思います」

○担当記者の感想

今回、巻選手の移籍ということで多くのメディアが集まった中で会見が行われました。

私自身も2008年から千葉の担当をさせていただいて巻選手とは2年半、取材を通して本当にお世話になってきました。常日頃からジェフのこと、サポーターのことを深く考えて行動してきた選手でもあります。本来であれば言いたくないであろうことも強く言ってきた選手でもあります。担当記者として感じていたのは巻さんは本当にジェフのことが大好きでこのクラブを良くしたいという思いがあるんだろうなということ。今回の会見でも言葉の端々にその思いを感じることができました。サポーターへの感謝の思いを口にする場面では目を潤ませていました。

サポーターへの感謝の思いもあると思いますが、記者としてはそこにジェフをこういう形で離れなければならない、理不尽さに対する悔しさがあったのではないかと思います。プロの世界ですから結果が大事です。でも、全てだとは思いません。契約社会であっても巻選手のようにジェフというクラブに多大な貢献を果たしてきた選手がこういう形で去るのは残念でなりません。昨年のオフの戦力外通告の件もそうですが人としての部分をもっと大切にしていただきたいと担当記者としては願うばかりです。

巻選手は本当にこのクラブでプレーし続けることを望んでいました。

巻選手がこの会見で残した一言一句をジェフに関わる方々、全員がしっかりと受け止めてほしいと思います。

(千葉担当 杉山文宣)

2010年7月27日 16:35

【前後の記事】

【関連記事】

記者プロフィール

杉山文宣:奇跡の残留劇、クラブ史上初の降格など担当した2年間は激動に次ぐ激動。今オフには神社でのお祓いを敢行するなど今季に懸ける思いは並々ならぬものがある。周囲からは上から目線と揶揄されるが実際はそんなことは全くない低姿勢。千葉の順位が悩みの種になることが多いが、最近買った一眼レフでの写真撮影と料理でストレスを発散中。

エル・ゴラッソ本誌最新号

エル・ゴラッソ本誌最新号

エル・ゴラッソからのお知らせ

iPhone/iPod touchアプリ
NewArrival